スエズ運河　一時通行停止について。

先日紅海にてMSC / HAPAG / CMA / MAERSKのコンテナ船がミサイル攻撃にあった関係で、スエズ運河経由でのサービスを停止する動きが出ております。
欧州航路は今後運賃上昇、新規チャージ追加、航海日数増加な不安定な状況である事、ご留意下さい。

＜以下、海運ニュースまとめ＞
海運紅海攻撃を避けケープへの迂回開始　船腹吸収、春節前需要で運賃急上昇か（23-12-20）
　紅海南部でイエメンのフーシ派からの商船攻撃が多発している事態を受け、主要コンテナ船社は喜望峰（ケープ）経由への航路変更など対応を開始、航海距離の延長で船腹が吸収され、中国の春節休暇前駆け込み需要も重なり運賃が急上昇する可能性がある。
　デジタルフォワーダーのFlexport（米国）によると、18日時点でコンテナ船78隻が紅海周辺で待機、46隻がケープ経由への迂回を開始した。上海／ロッテルダム航路ではケープ経由はスエズ経由に比べ約3,000海里延び、速力16ノットでトランジットタイムは8～10日延びるが、アデン湾まで到達してからケープ経由にう回した場合は最大13日延びる見込み。Felxportではアジア／米国東岸向け貨物を輸送する荷主に対し、スエズ運河と水位低下中のパナマ運河を回避しアジアから西岸揚げ＋鉄道・トラックでの内陸輸送に切り替えるよう勧め、中国の春節前に実効船腹量が25％減少する可能性から状況が変わらなければ運賃が大幅かつ急速に上昇すると予測した。
　一方で、Drewry　Maritime Research（英国）では船社はスエズ運河通航料を節約できるためケープ経由でも航行速力を上げる可能性があるとし、運賃は航路調整の初期の混乱で上昇するが劇的には上昇しないと予測、ただアジア／欧州航路は新契約の交渉期にあたるため混乱により契約運賃が上昇する可能性があると指摘した。

海運スエズ通航停止　18日時点の船社対応（23-12-20）
　▼Maersk（デンマーク）は15日に同社運航船が攻撃を受けたことを受け、紅海の航行を一時停止すると通告した。
　▼MSC（スイス）は16日、紅海航行の安全が確保されるまでスエズ運河の通航を停止、既に一部サービスはケープ経由に航路変更したと発表した。
　▼CMA CGM（仏）は18日、米国、北欧州、アジア・インド亜大陸航路に就航中の一部船舶をケープ経由への航路変更を決定、その他船舶は当面一時停止していると発表した。
　▼Hapag-Lloyd（独）は18日、安全な状況が確保されるまでスエズ運河と紅海の航行を避け、ケープ経由に変更すると発表した。
　▼Yang Ming（台湾）は18日、今後2週間以内に高リスク海域を航行する予定の船舶はケープ経由に迂回、もしくは安全な場所で一時待機すると発表した。
　▼Evergreen（台湾）は18日、リスク増と安全面からイスラエル輸出入サービスを当面の間一時休止すると発表した。
　▼HMM（韓国）は18日、紅海における商業船に対する最近の攻撃を深く憂慮、予防措置として、スエズ運河を通過するHMMの全船に対し、顧客の貨物を安全に届けるため喜望峰経由へう回を指示したと発表した。

弊社で現在わかっている情報を共有いたします。
喜望峰回りで運行となるとTTが10-20日ほど長くなるようです。

FP1 1月以降抜港などスケジュールの乱れが増える見込み。
→北欧州からの船が戻ってこれなくなる見込み。
→日本に追加投入できる本船が限られている。

EC1 / EC2 / EC6
→喜望峰回りに変更予定。（現在協議中）

◆ONE
北欧州・地中海向けは,喜望峰回りに変更予定。（現在協議中）
北欧州・地中海向けは、AP外のSPOTでのブッキングは基本引き受け停止。
１月以降抜港が増える見込み。（船が戻ってこれなくなるため）

◆CMA
北米東岸向けサービスは、引き続きパナマ運河経由のサービスを継続予定。
北欧州・地中海向けは、喜望峰回りに変更予定。

◆EVER
北米東岸向けサービスは、引き続きパナマ運河経由のサービスを継続予定
北欧州。地中海向けは、喜望峰回りに変更予定。

◆HMM
北欧州・地中海向けは,喜望峰回りに変更予定。（現在協議中）

◆YML
北欧州・地中海向けは,喜望峰回りに変更予定。（現在協議中）

◆COSCO
北欧州・地中海のサービスをどのルートで運航するか未定。（確定
北米東岸→ AWE2はパナマ運河経由を継続
　　　　　AWE4/ GMEは喜望峰回りに変更予定。

◆ZIM
地中海のサービスは喜望峰回りに変更
北米東岸はパナマ運河経由で継続。

◆WAN HAI (AA7)
北米東岸サービスはスエズ運河経由でのサービスを継続

◆HAPAG
スエズ運河のサービスを全て停止するので、AA7のサービスの対応方法を確認中。